「これが暴力っていうんだよな!言葉は言葉、暴力は暴力!あんな店、2度と行くかっての!」

意味もなくお腹を殴られたあたしは、ショックで言葉も出ず、少しこぼれてしまった焼酎をテーブルの上に置いて、力のない表情で直くんを見た。

「何だよ?手加減してやったのに文句でもあんのかよ?」

直くんは、心ない言葉をよく発する。

そのひどい言葉の数々に、何度も傷つけられてきた。

それでも、本当の暴力を振るわないところだけが、唯一の救いだったのに……。

幸い直くんが手加減したというのは本当で、痛みはすぐに収まったし、身体のどこにも異常はない。

でも、手加減していようがいまいが、そんなことは関係なかった。

暴力を振るわれたーーーその事実は変わらないのだから。

「ったく…どいつもこいつも腹立つなぁ。」

そう言って直くんは焼酎を飲み干すと、寝室へと消えていった。


《連休中、会いたかったけど無理そうだよ。ホント残念…。》