「それじゃあ、青年会に行きますか!
レイ!もう集まってる?」
「ああ。」
長の家を出た4人はすぐさま次の建物に向かった。
アンブレラは新たな仲間が増えたことでウキウキ気分で歩いているが、青年会の建物はそう遠くはない。
長の家の隣の隣の建物だ。
木造が多いフローラン一族の領内だが、唯一と言ってもいいほど洋風の建物は目立つ。
その、洋風の建物が青年会がある場所なのだ。
「ここだよ〜!レイと一緒に待っててもらってもいいかな?」
アンブレラはそう言って建物の中に入っていった。
「青年会のメンバーに説明するんだろ。
少ししたら俺たちも入る」
レイは無表情で無関心な声で言った。
どこか、この建物に入りたくない様子に見える。
「…青年会に入ってる人って何人いるの?」
園子は暇つぶしに聞いてみた。
だが、レイは頭を横にした。
どうやらあまり人数を意識したことがないらしく そうだな… と考え出した。
「この本部でざっと80人はいるだろうな。
人数が少ない西部や北部は30人ぐらいだな…
そろそろ入るぞ」
レイはそれだけを言って中に入る。
園子と伊織は人数が思いのほか多く驚き、これからその約100人の前に出なければならないことにゾッとした。
だが、レイがササッと入って行ったため考えることもなく急いで追いかけた。
「あっ!グッドタイミング!」
アンブレラは ナイス! と親指を立てた。
レイはそのまま後ろの方まで歩き、園子と伊織はアンブレラの隣に行く。
そこで園子は気がついた、レイが目の前に来た時の他の人たちの反応に。
化け物を見ているような、明らかに嫌そうな差別的な目線だ。
そして、レイは昨日挨拶したサーランの隣に座った。
サーランはレイを周囲と同じ反応では無かった。
どちらかと言うとサーランもあまり良くない目線を向けられていた。
園子が2人に意識していたが、アンブレラの声で ハッ と我に返る。
「さっきも言ったけど今日から新しく仲間になる菅原姉弟だよ!
じゃあ、園子から」
「はい!私は菅原 園子です。
人間界出身で魔法界に住むことになりました!
よろしくお願いします!」
園子はいつものスマイルを見せる。
すると、椅子に座っているフローラン一族の男子たちは頬を赤く染めていた。
「俺は、菅原 伊織!
姉とは1歳離れてます!まだこの世界を理解していないところが多いけどよろしくお願いします!」
こちらも最後はスマイルだった。
これには女子が頬を赤く染めていた。
菅原姉弟の笑顔は1発で青年会のメンバー達を虜にさせてしまったのだ。
「園子と伊織はリカ様の子供で今回魔法を学ぶために魔法界に来たから、みんな仲良くしてあげてね!」
アンブレラの言葉に全員が我に戻り、驚く。
あちこちから あのリカ様の… と声をあげている。
それだけ、リカはすごい人物なのだ。
「それじゃあ、これで今回の会議は終了にする!
新人の世話係だが…2人がこの人がいいと言うやつがやれよ!
以上解散!」
アンブレラの隣にいた男がそう言って、部屋から出ていった。


