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「ただいま…」

嶺は誰もいない家に着いた。
窓からは昼の日差しが入って来ているがとても静かで、もの寂しさを感じる。

嶺はそんな部屋をみて一息ついた。

本名は レイ・フローラン
別名が 立花 嶺

アンブレラの弟ではあるが血は繋がっていない。
レイは養子でアンブレラの父と母に拾われたのだ。

そのため、フローラン家とは全く関係が無かった。

(…アンが帰ってくるまでに作らないと)

レイは部屋着に着替えて台所に立つ。
いつも夕食は週ごとに代わって作るため、今週はレイが当番だ。

「菅原 園子…」

人参をいちょう切りに切っている時ふと園子の顔が浮かんできた。

小学生のときの面影はあるがその時の無邪気さはあまりなく落ち着いた雰囲気を身にまとっていた。

だが、あの安心しきった笑顔は昔と変わらない。

レイにとって変わって欲しくなかったあの笑顔がまた見れたことが少し嬉しかった。

あの笑顔を見ると自分も笑顔になれるから…
守ってあげたくなるから…

「………」

レイは少し微笑んで夕食を作ることだけを考えた。

〜・〜・〜・〜

「わぁ〜〜!すごい綺麗!」

一方、魔法界に着いた園子たちは丘から見えていた街並みを歩いていた。

所々で露店が並び、多くの人で賑わっている。
ヨーロッパの街並みのようにも思える。

「ここはフリールクリエーミ王国のマジックタウン。

王国の中で1番大きくて主要となる都市だよ」

アンブレラは ようこそ! とマジックタウンを背後に両手を広げた。

「マジックタウン…」

伊織と園子はまたマジックタウンであるこの街を見た。

「日本で言うと東京のようなものかな…?

重要人物や魔法の技術が集まる都市だよ!」

アンブレラは歩きながら園子と伊織に説明をする。

「首都…ですか?」
「うん!まぁそんな感じかな!」

アンブレラはとある場所を指した。
そこは、お城のような建物であった。

「あそこは王宮…この国を収めてる2人のクイーンが住んでいるって噂だよ」

アンブレラは苦笑いで言った。
実はこの魔法界でははっきりとした国はない。

そのため、このマジックタウンも首都という訳では無いがアンブレラの言うように色々な情報や魔法の技術など集まる都市だ。

「ほえ〜」

園子はその城をマジマジと見る。
目は輝いていた。

「ここが私の家がある場所」

そうアンブレラが言うのと同時に里花と優介が止まった。

園子と伊織はぶつかりそうになったがなんとか歩を止めた。

「そして、これから私たちが住む場所よ」

里花がアンブレラの言葉に続いて言った。

目の前にはこの街では際立つ和風の門があった。
門の左右は壁があり、その壁は先へと続いている。

今まで歩いてきた街と区切られるように壁がたち、囲まれていた。