「それではゲートを開きます。」

緑の民で今日の門番をしていた2人の青年がゲートを開くため魔法に集中する。

ゲートの前には優介、園子、伊織、里花の順番に横一列で並んでいた。

「人間界と魔法界を繋げました。
それでは、隣の人と手を繋いでください。」

青年の1人がそう言うと園子たちはそれぞれ隣の人と手を繋いだ。

「園子さんと伊織さんは初めてとのことで説明をします。

ゲートの先には人間界と魔法界を繋げた道があります。

元々設定されているため行き先以外の場所にたどり着くことはまずありません。

ゲートを潜り別の空間に行く時にそれなりの負荷がかかります。

頭がクラッと来たりそれこそ気絶もありえます。

今回は優介さんと里花様が居られるため多少は援助して貰えると思います。

それでは、お気をつけて。」

青年が淡々と説明をしていき、ゲートを解放した。

ゲートが開くとその先は虹色しかない景色があった。

「さぁ、行くわよ」

里花の声に3人は頷いて歩き出した。

「……っ!」

ゲートをくぐった瞬間光に包まれて園子は思わず目を瞑った。

それと同時に全身に圧力がかかった。
だが、それは一瞬のことで優介と里花の魔力によってそれが少し和らぐ。

「さぁ、着いたわよ」

里花の言葉で園子と伊織は目を見開く。

「「わぁ〜〜!!」」

ゲートの先はレンガの建物が多く並ぶ街近くの丘の上だった。

丘の上には緑の民の集落にあったゲートと同じ門がある。

だが、大きさは集落のものより小さい。
しかも門は建物の中ではなく外にある。

門の隣にコンクリートの建物があった。
扉の上には鐘の回りを葉が囲む紋章があった。

「あそこはこのゲートを管理している第1管理所。
ゲートを使う時はあそこで行き先を申請するの」

里花は建物を指さしながら言った。
それと同時にゲート前に魔法陣が現れたと思ったらアンブレラが現れた。

「どうだった?空間と空間を飛ぶのは」

アンブレラは園子と伊織に問うが2人の表情を見れば答えは予想できる。

「……気持ち悪かった…もう使いたくないです」
「私も…あまり使うのは…」

伊織は口を抑え、園子は苦笑いであった。
初体験なのだから仕方がない。

「だろうね!みんな感想は一緒だね」

アンブレラは自分のゲートの初体験の時を思い出したのか クスクス と笑う。

「はい!そろそろ行くわよ」

里花と優介は目の前に見える街に行くために階段を降りて行く。

はーい と返事をして3人は里花のもとに歩き出した。