入学式の季節の春がやってきて、あと少しで新たな学校へと進学する3月。


「もう帰っちゃうの?」

少女は悲しい表情をしていた。

私立高屋野大学付属小学校の校舎の裏に少女と少年がいた。

少年が静かに頷くと少女は目から大粒の涙を流した。

「しかたないよ 2年の転校だったんだから。

ほら、泣くなよ。綺麗な顔がだいなしだよ?」

と、少年は少女の涙を拭き取る。

あと1ヶ月もしないうちに中学生になる2人

「あとちょっとで中学生なんだよ?
なのにいなくなっちゃうのー?」

だが、少女は子供みたいに泣きじゃくる。
唯一仲のよかった親友と会えなくなるのだから。

この先友達ができるかという不安も一緒に涙となって流れていた。

「大丈夫だ!またいつかどこかで会える!」
「いつかっていつ?どこかでってどこで?」

少女は涙を流したまま聞き返してきた。
えっ と困る少年はため息をついた。

「いつかはいつか。そんなに嫌だったらこれをもってたらいい!」

少年はそう言って1つのペンダントを渡した。

「わぁきれい!」

それはピンク色の翼があり、真ん中には内側に六芒星が描かれた宝石がついていた。

すると、少年は首につけていたペンダントを見せる。


少女と同じ形をしており、色は青色だった。

「あっ、おそろいだ!」
「うん!離れていてもこれがある!」

少年がそういうと、少女は うん! と笑顔になった。


次の日

少女の隣に少年はいなかった