あの夏をもう1度

「俺買ってくるからそのへんにいろよ」


圭太が財布を見せる。



「え?いいの?」


「あー。でも人すっごいからそこから動いちゃだめだぞ」


あたしの肩をポンッと叩く。



「わかってるよー」


「じゃあ行ってくる!」



圭太が走って屋台の方に行く。



駿太もいつも買ってきてくれたよね。


圭太といるのに。
駿太のことばかり思い出す。

この頭どうにかしたい。


駿太のこと思い出さない日なんてないし。
ふたりで行った場所に行く度に泣きそうにもなってた。


最近は少なくなってはきたけど。


でも、やっぱり今日は
いつも以上におもいだす。


やっぱり振られたのが
ここだったからかな。



なんであたしはいつまでも好きなのかな。

思えば最低なやつじゃない。


でもどうしても好きなんだよね。