あの夏をもう1度

「元カレ気になる?」



圭太があたしの顔をのぞき込む。



「そりゃね」


「好きだったもんなぁー」



あたしの頭を撫でる。



「…圭太」


「俺がしってるよ。お前がこの1年頑張ってきたこと」


「…ありがとう」



圭太には感謝してもしきれない。



あの日。
駿太に振られたあの日。


泣きながら帰った道。
最初にあったのは、圭太だった。



『なした?』



そう優しく聞いてくれたよね。


そして、泣き止むまでずっと隣にいてくれた。



『戻ってくるよとか無責任な事はいえねーけど、好きなら好きでいいじゃん』



そう頭撫でてくれたっけ。


ありきたりな慰めとかより
心が救われたよ。