いつから、ここは劇場になったの?

舞台でもやる気?


扉のそばで呆然としていた私に、役になりきっていた師匠が気づいた。



『あ、幸珀!』


『一応聞きますが、何をしているんですか?』


『王様と勇者の壮大ファンタジーごっこ』



確かに、世界が壊れるとかなんとか、壮大だったけども。


なんでそんな遊びやり始めたの?しかも、ノリノリで。




『京がやってたゲームが面白そうでさ~』


『発案者はお前か、弘也』


『勇者って響き、かっこよくね?なあ、真修』


『かっこいいですよね!』




それで、実際になってみようと、劇を始めたのか。



私が王様なら、チャラい勇者もドジすぎる勇者も追い返して、誠実そうな勇者を募集するなぁ。


弘也と真修に世界を託したら、さらに危機的状況になるだろうし。