寝ぼけ眼が、一気にパッチリ冴える。



お母さん、ひどい。


大好きなスイーツを人質に取るなんて、卑怯だ!



……はぁ、仕方ない。行ってやろう。




時間との勝負だ。

こうなったら、私の本気を見せてやる。



急いで支度をして、学校に行く準備を進めた。




見よ、この早技を!


制服を着ながら、朝ごはんを食べながら、髪を整えながら、靴を履いてる。



すごくない?え、ちょ、ほんとにすごくない?これ全部同時進行だよ?


起きてから5分も経ってないのに、支度済んじゃうよ?




今日だけは、朝ごはんがパンだったことに感謝だ。でも、明日からはぜひ和食でお願いします。


パンを食べ終えてごっくんと飲み込み、つま先を地面にトントンと軽く当てる。



「行ってきまーす!」


「はい、行ってらっしゃい」



時間との勝負に圧倒的に勝利した私は、余裕を持って学校へ向かった。