BAD & BAD【Ⅱ】





唄子ちゃんに絡んでいた不良は、2人とも同じ学生服を着ていた。私の学校や桃太郎の学校とは、別の学校のものだ。



同い年くらい、かな。

見たところ、どっちも弱そう。喧嘩したら余裕で圧勝だろう。



よかった。思ったよりも楽に方が付きそうだ。


早く洋館に帰って、桃太郎にケーキ作らせて、ゲームしながらケーキ食べたい。




唄子ちゃんは、私と桃太郎の背中に隠れながら、


「もしかして……」


私を疑わしそうに観察していた。




「ねぇ、桃太郎もこいつらが邪魔だと思うよね?」


「……っ」


「桃太郎?」



不意に横に視線をずらしてみれば、桃太郎がなぜかわずかに戸惑っていた。


どうしたの?

こんな低脳な奴らに動じることないでしょ?



「え?桃太郎?……お前、今、こいつのこと『桃太郎』っつったか?」



ずっと唄子ちゃんをものにしたがっていた、逆ギレ男がニヤリと不敵に笑う。


こいつ、桃太郎を知ってるの?