絡まれてる女の子って……やっぱり唄子ちゃんだったの!?
周りに友達らしき子はいない。
ということは、こんな時間に1人で繁華街に?
特別美人な唄子ちゃんが単独行動をしていたとなれば、男どもが放っておくはずがない。
狙われやすいってわかっていただろうに、どうして……?
まあ、理由なんかどうだっていいや。
今は、嫌がる唄子ちゃんをナンパしてる不良2人をどうにかしないと。
ナンパするなら、絡まれたいオーラ全開の肉食系女子を狙いなさいよ!!
「はいはーい、拒否してるのにグイグイ押してくる、未練がましい男は嫌われますよー」
「あぁ?」
手をパンパンッと2回叩きながら、半ば無理やり不良2人から唄子ちゃんを引き離した。
私と桃太郎は、唄子ちゃんの前に盾になるように立ちはだかる。
「いきなり入ってきて、邪魔すんじゃねぇよ」
「邪魔なのはあんたらでしょ」
「んだと!?」
うわ、正論言われて逆ギレ?
だからナンパに失敗するんだよ。



