BAD & BAD【Ⅱ】





絡まれてる女の子って……やっぱり唄子ちゃんだったの!?



周りに友達らしき子はいない。


ということは、こんな時間に1人で繁華街に?


特別美人な唄子ちゃんが単独行動をしていたとなれば、男どもが放っておくはずがない。



狙われやすいってわかっていただろうに、どうして……?




まあ、理由なんかどうだっていいや。


今は、嫌がる唄子ちゃんをナンパしてる不良2人をどうにかしないと。



ナンパするなら、絡まれたいオーラ全開の肉食系女子を狙いなさいよ!!



「はいはーい、拒否してるのにグイグイ押してくる、未練がましい男は嫌われますよー」


「あぁ?」



手をパンパンッと2回叩きながら、半ば無理やり不良2人から唄子ちゃんを引き離した。


私と桃太郎は、唄子ちゃんの前に盾になるように立ちはだかる。



「いきなり入ってきて、邪魔すんじゃねぇよ」


「邪魔なのはあんたらでしょ」


「んだと!?」



うわ、正論言われて逆ギレ?

だからナンパに失敗するんだよ。