「あんたに足りないのは、男らしさだよね」
「余計なお世話だ」
裁縫や料理をしてるくらいなら、ダンベルで筋トレでもしてろ。
桃太郎が私以上に女子力高いから、唯一の女子である私が霞んでるんだよ!いい迷惑だ。
ずっとテンション高めに“談話以上口論未満”な会話をしていたら、あっという間に繁華街に到着した。
ネオンの光が、行き交う人々に紛れないように、存在感を放っている。
私達は、賑わっている繁華街の大道の脇を、自然を装いながら通った。
「もし桃太郎が私みたいな格好しても、着せられてる感じになるんだろうね」
「そんなことねぇし!着ろって言われたら、お前より着こなしてやるよ」
「絶対無理。爆笑の嵐だよ」
「はあ!?なんでだよっ!!」
マセた小学生にしか見えないから、やめときなって。
凛にも笑われて、一生の恥になるよ?
やば。想像しただけで笑いがこみ上げてきちゃった。



