たかやんは私と桃太郎の襟を乱雑に掴み、引きずって遊戯室から追い出した。
え!?
なに、この仕打ち。ひどい!
「パトロールがてら、頭冷やしてこい!!」
バタンッ!、と勢いよく扉を閉ざされた。
たかやん、めちゃくちゃイラついてたな。般若みたいだった。
相当うるさかったんだろうな。
私と桃太郎と凛で、近所迷惑なんか気にせずにぎゃーぎゃー喚いてたし、当たり前か。
いつの間にか、午後7時を過ぎていた。
パトロールする時間だ。
さらにたかやんを怒らせたら厄介だな。
これは、神雷のおかんなりのしつけなのかも。だったら逆らえないな。
仕方ない。行きますか。
「ほら、ふてくされてないで行くよ、桃太郎」
「ふ、ふてくされてなんかねぇよ!」
「反抗期か」
「反抗期じゃねぇ!」
「じゃあ、思春期?」
「なおさらちっげぇわ!」
私は桃太郎をいじりながら、洋館をあとにした。



