BAD & BAD【Ⅱ】





たかやんは私と桃太郎の襟を乱雑に掴み、引きずって遊戯室から追い出した。



え!?

なに、この仕打ち。ひどい!



「パトロールがてら、頭冷やしてこい!!」



バタンッ!、と勢いよく扉を閉ざされた。



たかやん、めちゃくちゃイラついてたな。般若みたいだった。


相当うるさかったんだろうな。



私と桃太郎と凛で、近所迷惑なんか気にせずにぎゃーぎゃー喚いてたし、当たり前か。




いつの間にか、午後7時を過ぎていた。

パトロールする時間だ。



さらにたかやんを怒らせたら厄介だな。


これは、神雷のおかんなりのしつけなのかも。だったら逆らえないな。


仕方ない。行きますか。




「ほら、ふてくされてないで行くよ、桃太郎」


「ふ、ふてくされてなんかねぇよ!」


「反抗期か」


「反抗期じゃねぇ!」


「じゃあ、思春期?」


「なおさらちっげぇわ!」




私は桃太郎をいじりながら、洋館をあとにした。