BAD & BAD【Ⅱ】





皆、目を丸くしてる。

当然だ。私もそうなんだから。



とっ、突然何しやがるんだ、こいつは!




凛の唇が、私から離れると、



「これで、偽装じゃねぇってわかったか?」



と一言、皆に無機質な口調で言い放った。




そ、それを証明するために、わざわざキスをしたの……?



私の顔は今、真っ赤に染まっているだろう。だがしかし、それはときめいたからではない。


はっきり言おう。

怒ってるからだよっ!!



憤りが体の底から沸いて、大変だよ!熱くして死にそうだよ!



皆はポカーンと、唖然としている。


その反応は、文句なしの満点解答だ。私もこの憤怒の熱が無ければ、そうしていたでしょうよ。



熱が下がらない私は、体をワナワナ震わせながら立ち上がった。



「ばっかじゃないの!?」


「ばっかじゃねぇのか!?」



私が凛に浴びせた叱咤と、桃太郎の怒声がかぶさって反響した。