皆、目を丸くしてる。
当然だ。私もそうなんだから。
とっ、突然何しやがるんだ、こいつは!
凛の唇が、私から離れると、
「これで、偽装じゃねぇってわかったか?」
と一言、皆に無機質な口調で言い放った。
そ、それを証明するために、わざわざキスをしたの……?
私の顔は今、真っ赤に染まっているだろう。だがしかし、それはときめいたからではない。
はっきり言おう。
怒ってるからだよっ!!
憤りが体の底から沸いて、大変だよ!熱くして死にそうだよ!
皆はポカーンと、唖然としている。
その反応は、文句なしの満点解答だ。私もこの憤怒の熱が無ければ、そうしていたでしょうよ。
熱が下がらない私は、体をワナワナ震わせながら立ち上がった。
「ばっかじゃないの!?」
「ばっかじゃねぇのか!?」
私が凛に浴びせた叱咤と、桃太郎の怒声がかぶさって反響した。



