卒業生の真ん中に堂々と立っている師匠は、早くも瞳を潤ませている。
「今日卒業できたこと、ここで皆にお祝いしてもらえたこと、すっごく嬉しいよ」
「泣くの早すぎです、師匠。パーティーはまだ始まったばかりですよ?」
「そうなんだけど……感動しちゃって」
「はい、ハンカチどうぞ」
「ありがとう」
今日は持ってきたハンカチを、師匠に差し出す。どうだ、私の女子力!
このパーティーでも、ちゃっかりテーブルの上に置かれているオレンジジュースは、師匠用。
その真横にあるティーポットには、真修がパーティーのために淹れてくれたアールグレイが入ってるようで、柑橘系の香りが漂っている。
「総長として神雷と関わって、皆の仲間になって、自分なりのヒーローになれたこの1年は、ゲームの世界みたいにキラキラしてた」
語りだした声色は、髪色みたいに黄金に彩られている。
「たった1年だけだったけど、毎日が楽しくて仕方がなかった。皆に、神雷に、出会えてよかった」



