BAD & BAD【Ⅱ】





卒業生の真ん中に堂々と立っている師匠は、早くも瞳を潤ませている。




「今日卒業できたこと、ここで皆にお祝いしてもらえたこと、すっごく嬉しいよ」


「泣くの早すぎです、師匠。パーティーはまだ始まったばかりですよ?」


「そうなんだけど……感動しちゃって」


「はい、ハンカチどうぞ」


「ありがとう」




今日は持ってきたハンカチを、師匠に差し出す。どうだ、私の女子力!



このパーティーでも、ちゃっかりテーブルの上に置かれているオレンジジュースは、師匠用。


その真横にあるティーポットには、真修がパーティーのために淹れてくれたアールグレイが入ってるようで、柑橘系の香りが漂っている。




「総長として神雷と関わって、皆の仲間になって、自分なりのヒーローになれたこの1年は、ゲームの世界みたいにキラキラしてた」



語りだした声色は、髪色みたいに黄金に彩られている。



「たった1年だけだったけど、毎日が楽しくて仕方がなかった。皆に、神雷に、出会えてよかった」