BAD & BAD【Ⅱ】





皆の瞳が、私と凛に注目する。



桃太郎の眼差しだけが、とてつもなく尖っていた。


ちょっと、殺意で覆った嫉妬心をむき出しにしないでよ。恋敵じゃあるまいし。



「そうですか?」

「そうだよ」


師匠、即答しないでください!




「イチャつかれるよりはマシだけどな」


「でもやっぱり、今でも偽装カップルなんじゃないかって思っちまうよな」


「偽装に1票」


「桃太郎はただ凛を奪われたみたいで寂しいだけっしょ~?」




たかやん、剛、桃太郎、弘也の順にカードを流れるように引きながら、口々に好き勝手喋った。


本人を前に、よく堂々と言えるよね。少しは気を遣え。



偽装、ねぇ。

それはない。絶対に!


どうして私が、そんなめんどくさいことしなくちゃいけないの。してもメリットないじゃん。



神雷を騙すのは、もう懲り懲りだっつの。