BAD & BAD【Ⅱ】






「で、でも……」


「じゃあ、またうまい紅茶を飲ませろ。それがお前の償いだ」



なんて甘く、あったかい償いなんだろう。



私も、また飲みたいな。


真修が注いだ、アールグレイを。




「一緒に帰ろう?」


「そう、ちょう……っ」


「神雷のたまり場に」



師匠は真修の手をぎゅっと握って、和やかに言う。


泣きそうだった真修が、ついに泣いた。



「ぅ、……っ、はい」



今まで、頑張ったね。

よかったね、真修。




真修には、帰るべき場所がある。


仲間がいる。



そうそう消え失せない、大切な宝がある。