「で、でも……」 「じゃあ、またうまい紅茶を飲ませろ。それがお前の償いだ」 なんて甘く、あったかい償いなんだろう。 私も、また飲みたいな。 真修が注いだ、アールグレイを。 「一緒に帰ろう?」 「そう、ちょう……っ」 「神雷のたまり場に」 師匠は真修の手をぎゅっと握って、和やかに言う。 泣きそうだった真修が、ついに泣いた。 「ぅ、……っ、はい」 今まで、頑張ったね。 よかったね、真修。 真修には、帰るべき場所がある。 仲間がいる。 そうそう消え失せない、大切な宝がある。