BAD & BAD【Ⅱ】





私は許したよ。

そう、含み笑いをする。


すると、3人も、笑った。



「交換条件つっても、どうせ兄貴に脅されたんだろ?」


「……朔」


「辛かったな」



頼りない肩を、ポンと優しく叩く。



「気づいてやれなくて、ごめんな」



頭を振る真修に、朔は微笑みかけるだけだった。



許されないよりも謝られた方が辛いなら、それが真修への罰。


軽くも重くもあるその罰に、どうか気づいて。




「睡眠薬が入ってたなんて、知らなかった……」



凛の独り言に「だろうね」とツッコミをかましたい。


知ってたら、あんなガブガブ飲んでなかったでしょうよ。




「副総長、睡眠薬で眠らせていてすみませんでした」


「気にしてない。うまかったし」



うまかった、で片付けられちゃう問題でもないけど、凛がそれでいいなら何も言うまい。


真修の淹れるお茶はなんでも美味しいのは、紛れもない真実だしね!