私は許したよ。
そう、含み笑いをする。
すると、3人も、笑った。
「交換条件つっても、どうせ兄貴に脅されたんだろ?」
「……朔」
「辛かったな」
頼りない肩を、ポンと優しく叩く。
「気づいてやれなくて、ごめんな」
頭を振る真修に、朔は微笑みかけるだけだった。
許されないよりも謝られた方が辛いなら、それが真修への罰。
軽くも重くもあるその罰に、どうか気づいて。
「睡眠薬が入ってたなんて、知らなかった……」
凛の独り言に「だろうね」とツッコミをかましたい。
知ってたら、あんなガブガブ飲んでなかったでしょうよ。
「副総長、睡眠薬で眠らせていてすみませんでした」
「気にしてない。うまかったし」
うまかった、で片付けられちゃう問題でもないけど、凛がそれでいいなら何も言うまい。
真修の淹れるお茶はなんでも美味しいのは、紛れもない真実だしね!



