BAD & BAD【Ⅱ】





もしかして、ずっと葛藤していたのだろうか。


真修が私を……仲間を裏切ったことは事実で、助けたかったのも事実で、話せずにいたことも事実だからこそ、どうしたらいいかわからなくて。




凛が私に追いついて、一抹の沈黙を堕とした後。


真修は決心したようで、未だ冴えない顔を持ち上げた。



「ごめ、なさ、」



開口一番の声は、ひどく脆かった。



「なんで謝るんだよ」

「……ごめんなさい」


朔の疑問を、謝罪で打ち消す。



「まーた謝りっぱなし?真修の悪い癖だよ?」



私が呆れてそう言うと、「う、うん」と返事をして、説明し始めた。


簡潔だったから、省かれた部分もあったけど、ちゃんと真修が謝った理由や事情は理解できた。




説明し終えて、また頭を下げて謝った。



「ごめん……本当に、ごめんなさい……!」



朔と師匠と凛の視線が、一度私に集められた。