もしかして、ずっと葛藤していたのだろうか。
真修が私を……仲間を裏切ったことは事実で、助けたかったのも事実で、話せずにいたことも事実だからこそ、どうしたらいいかわからなくて。
凛が私に追いついて、一抹の沈黙を堕とした後。
真修は決心したようで、未だ冴えない顔を持ち上げた。
「ごめ、なさ、」
開口一番の声は、ひどく脆かった。
「なんで謝るんだよ」
「……ごめんなさい」
朔の疑問を、謝罪で打ち消す。
「まーた謝りっぱなし?真修の悪い癖だよ?」
私が呆れてそう言うと、「う、うん」と返事をして、説明し始めた。
簡潔だったから、省かれた部分もあったけど、ちゃんと真修が謝った理由や事情は理解できた。
説明し終えて、また頭を下げて謝った。
「ごめん……本当に、ごめんなさい……!」
朔と師匠と凛の視線が、一度私に集められた。



