BAD & BAD【Ⅱ】





私は右手で軽く凛の肩を下げて、唇を凛の頬に近づけた。


チュッ、とリップ音を立てながら、頬にキスを落とす。



「!?」

「えへへ」



ファーストキスとセカンドキスをムードなく奪った仕返し、だよ。


これでわかったでしょ?責任の意味が。



凛から唇を離して、恥ずかしさで凛から距離を取るように、前にいる朔達に駆け寄った。



「あっ、ちょ、待て幸珀!」



無気力な凛が、あんなに取り乱して声を上げている。



そのことが嬉しくて、笑みがこぼれた。


私より、顔が真っ赤だ。可愛いな。




大好きだよ。


私の好きな人は、凛、この先もずっとあなただけ。





前方に逃げたら、真修を囲むみたいに朔と師匠が佇んでいた。


何してんの?

真修の顔色を窺えば、顔面蒼白で、かつ険しくなっていた。



「真修?」


「どうしたの?」



朔と師匠は案じて声をかけるが、返答はない。