私は右手で軽く凛の肩を下げて、唇を凛の頬に近づけた。
チュッ、とリップ音を立てながら、頬にキスを落とす。
「!?」
「えへへ」
ファーストキスとセカンドキスをムードなく奪った仕返し、だよ。
これでわかったでしょ?責任の意味が。
凛から唇を離して、恥ずかしさで凛から距離を取るように、前にいる朔達に駆け寄った。
「あっ、ちょ、待て幸珀!」
無気力な凛が、あんなに取り乱して声を上げている。
そのことが嬉しくて、笑みがこぼれた。
私より、顔が真っ赤だ。可愛いな。
大好きだよ。
私の好きな人は、凛、この先もずっとあなただけ。
前方に逃げたら、真修を囲むみたいに朔と師匠が佇んでいた。
何してんの?
真修の顔色を窺えば、顔面蒼白で、かつ険しくなっていた。
「真修?」
「どうしたの?」
朔と師匠は案じて声をかけるが、返答はない。



