よろめきながらも態勢を構える善兄に、私を攻撃する意思はない。
いくら善兄だからって、防御だけでなんとかできるとでも?
今の私は、誰にも止められないよ。
鎖の痕など、どうでもいい。
怒りが、恐怖感覚すら狂わせていた。
「監禁とか殺すとか、ばっかじゃないの?」
あんたは最低だよ。
私だけじゃなく、仲間まで傷つけて。
「欲に塗れたわがままで、関係ない人まで巻き込まないで」
真修も、朔も、凛も、師匠も、神雷も……皆、善兄のおもちゃじゃない。
私の大事な人達だ。
助けに来てくれた3人も真修も、もはや戦える状態じゃない。特に3人はよく今さっきまで戦えたな、ってくらい体力が底をつきかけている。
皆、休んでて。私は大丈夫だから。
私がこいつの相手をする。
しなければ、ならないんだ。



