BAD & BAD【Ⅱ】





善兄があまりのショックで手放しかけたナイフを、奪い取って、隅に投げ捨てた。


ナイフがカシャンッ、と血で濡れた床に落下する。




もう、怒りでどうにかなってしまいそうだ。




「どうして、こんなことしたんだ。血だらけじゃないか」


「それはこっちのセリフだ!!」



善兄に大声を浴びせながら、足を振り上げた。


うろたえていたせいでまともに食らい、整った形相にクリティカルヒットする。



「血だらけなのは、私だけじゃない。善兄以外、皆そうなんだよ!」




今の善兄からは、殺気も迫力も感じられない。


だからか、すんなり怒鳴れた。



今なら、きっと、本気で闘える。




感覚がなくなって脱力しかけた手を、握り締めて、痛みをはぐらかす。


その拳で殴りかかるが、さすがに対応され、受け止められる。



これで終わりだと思うな。

私は膝を上げて、善兄の顎を強打した。



「ぐぁ……!」