BAD & BAD【Ⅱ】





一度力を抜いて、深呼吸をする。



震えも、恐怖も、圧迫も消えない。


だけど、どんな状況下だって、自分で最大限の強さを引き出せる。



息を吸って、吐いて、吸って。



「ふんっ、ぐぎぎぎぎぃ~~!」



左手に全身の力を送り、一気に力を出して、鎖を押し出した。


皮膚を引っ掻くように擦りながら、鎖がだんだん手を滑っていく。



そして、


「ぬ、抜けたー!」


完全に束縛を解けた。




両腕が解放され、晴れて自由の身。


そう、喜んでいた時。




「凛!」



師匠の焦りを含んだ声が、脳内に直接響き渡った。


即座に、ステージ前に黒目をずらす。