たかやんが、カップの片付けを手伝ってくれた。
綺麗好きで、小姑並に厳しいたかやんがいれば、百人力だ。やったね。
それにしても、真修の言っていた通り、高価そうなカップだなぁ。
凛は、これが高価なものだと知ってたのかな。
……多分知らないで使ってたんだろうな。
「どうやったら壁にスリッパが刺さるんだよ」
「剛もやってみれば?意外と簡単だよ」
「さらっと言うな、怪力ゴリラ」
「ごっめーん、聞こえなかった。もう1回言ってくれる?ヘタレ坊主」
私と剛が取っ組み合いの喧嘩を勃発させる前に、たかやんが割って入った。
「喧嘩してる場合じゃねぇだろうが。真修を見てみろ」
「え?」
……わあ、真修が笑いながら殺気立ってる。可愛い顔が台無しだよ。こわーい。
私は闘争心を鎮めながら、剛と顔を見合わせた。
喧嘩は一時休戦だ。
「俺も片付け手伝うよ」
「師匠、ありがとうございます」
「しょうがねぇから、俺も手伝ってやるよ」
「桃太郎くん、お手伝いできるなんてえらいでちゅね~」
「京の時と態度が違いすぎるだろ!子ども扱いすんな!!」
「あはは、冗談だよ。桃太郎もありがと」



