BAD & BAD【Ⅱ】





たかやんが、カップの片付けを手伝ってくれた。


綺麗好きで、小姑並に厳しいたかやんがいれば、百人力だ。やったね。




それにしても、真修の言っていた通り、高価そうなカップだなぁ。



凛は、これが高価なものだと知ってたのかな。


……多分知らないで使ってたんだろうな。




「どうやったら壁にスリッパが刺さるんだよ」


「剛もやってみれば?意外と簡単だよ」


「さらっと言うな、怪力ゴリラ」


「ごっめーん、聞こえなかった。もう1回言ってくれる?ヘタレ坊主」




私と剛が取っ組み合いの喧嘩を勃発させる前に、たかやんが割って入った。



「喧嘩してる場合じゃねぇだろうが。真修を見てみろ」


「え?」



……わあ、真修が笑いながら殺気立ってる。可愛い顔が台無しだよ。こわーい。



私は闘争心を鎮めながら、剛と顔を見合わせた。

喧嘩は一時休戦だ。




「俺も片付け手伝うよ」


「師匠、ありがとうございます」


「しょうがねぇから、俺も手伝ってやるよ」


「桃太郎くん、お手伝いできるなんてえらいでちゅね~」


「京の時と態度が違いすぎるだろ!子ども扱いすんな!!」


「あはは、冗談だよ。桃太郎もありがと」