「俺はずっと、こっち側だったんだ」
今まで幾度となく打ち明けようとして、隠してしまっていた。
タイミングの問題じゃない。
これは、弱虫な真修の度胸を推し量って練られた、必然。
「黙っててごめん。話せなくてごめん」
「真修」
「見捨ててごめん。裏切ってごめん。味方になれなくてごめん」
「真修っ」
「ごめんね」
「真修……!」
3回目の呼びかけで、ようやく真修が謝るのをやめた。
私はすぅ、と肺に空気を送って。
真修を真っ直ぐ見据えた。
「真修のバカ!!」
どでかい悪口に、真修は間抜けな声を漏らした。
あまりの迫力に、宙に垂れてる鎖がジャラリと踊る。
「ネチネチ後悔して、女々しいんだよ!」
「こ、幸珀?」
私がいきなり叱咤モードになって、眼を瞠らせている。



