「結局幸珀の正体がバレた時も、また悪者扱いされてるのが嫌で。最初から女だと知ってたことを謝ることしかできない自分も……嫌、で」
「真修……」
「また俺は、幸珀のために、何もできなかった」
そういえば、たかやんに聞いた。私が神雷をやめた後のこと。
真修が一番に暴露して謝罪したことも、聞いたよ。
私はそれだけで、すごく、嬉しかったのに。
「不良になれば、変われると思ってた。強くなって、善さんを恐れなくなって、臆病な自分から脱却できるんじゃないかって」
「なってみて、どう?」
ちょっとは変われた?
答えは、ノー。
ダメだった、と項垂れた。
「力は強くなったけど心は弱いままで、どうしても善さんとの関係を切れなかった」
ぐらぐらな視線が、頼りなげに私に捉えた。
手首を抑える鎖が、邪魔くさい。
「……ごめん、幸珀」
真修は何度、懺悔するつもりなのだろう。



