天才的な頭脳で考えられた、計画的な企み。綿密で、用意周到で、完璧なトラップ。
きっと、偽NINAも、教育実習も、手段の1つに過ぎなかった。
予想外の出来事が起こったとしても、すぐに軌道修正してきたのであろう。
善兄が用意してきた駒は全部、どれひとつ意味を失くすことなく、今日の監禁に繋がっている。
私達は意志を持っているのに、まるで今までずっと手のひらの上で転がされていたようで、忌まわしくなる。
真修がこの話をしているのも、筋書き通りなのだろうか。
「幸珀が神雷に入った時は、本当に驚いたよ。どうしてここに来ちゃったんだって、内心絶望でいっぱいだった」
「あはは」
愛想笑いするしかない。
パーカーマンが誕生しちゃったのが悪い。つまり、私が悪い。
もうさ、善兄、占い師になればよくない?的中率100%だよ?世界を救えるんじゃない?
「ちょうど神雷で裏切り者騒動があった頃だったから余計に、本当の裏切り者は自分だって感覚が拭えなくて……怖くて怖くてたまらなかった」
いつも危機感と緊迫感の狭間で、私をサポートしてくれていたんだね。
美味しい紅茶に、睡眠薬を溶かしながら。



