BAD & BAD【Ⅱ】






「でも、どうして睡眠薬?手を打つなら、他にも方法があったでしょ?」


「理由は2つ。1つは、再会しても風紀委員長だとわからせないようにするため」



うわ、術中にはまってた。悔しい。



言い訳を言わせてもらえば、よく眠っていなくても、多分凛が風紀委員長だってわからなかった自信あるもん!


凛が、良くも悪くも成長しすぎなんだ!!




「もう1つは?」


「また幸珀を監禁した時を想定して、1人でも邪魔者を排除しておくためだって言ってた」



ゾワッ、と恐怖心を煽られる。



何、それ。

善兄の未来を予測する思考は、一体どうなってるの?




確かに神雷はよくパトロールをして、危険を察知すれば助けに行く。



だが、善兄は、“私も神雷の一員になっている”ことを前提として、今日この日を脳内でシミュレーションしていたということ?



私の親が神雷の先代だからか、私が“あの日”悪くなったからか、ただの勘か。


理由は明らかではないけれど、善兄は私と凛……私と神雷が出会うことを、あらかじめ予知していたということになる。



今日のパトロールの当番も、凛の身体を睡眠薬があってもなくても……といっても今日は睡眠薬を使用しただろうけど、

常に眠気に襲われるように仕向けていなければ、私と真修の2人だけにはならなかった。