BAD & BAD【Ⅱ】





遊ぶ時には必ず風紀委員長をベタ褒めしてたから、記憶に残ってたのかな。


それとも、私の記憶力が低下していってるだけ?やばいな。阻止せねば。



「交換条件で善さんと異質な関係ができてから、善さんに定期的に幸珀に悪い虫がついていないか連絡しなくちゃいけなくて」



定期的な連絡もしてたの!?


だから善兄は、私に彼氏がいること知ってたんだ。



なるほど、真修のタレコミだったのか。




「神雷の副総長が幸珀の憧れの風紀委員長だったってことを性格や特徴と一緒に報告したら、善兄が『いつか幸珀と副総長が再会したら厄介だから、今のうちに手を打っておこう』って、時々副総長に睡眠薬を飲ませるように指示したんだ」




……やっぱり。


調理室に捨ててあった睡眠薬の箱は、真修のだったんだ。



「飲み物にでも含ませてたんでしょ?」


「幸珀、感づいてたんだ」


「まあね」



驚かない私に、脱帽していた。


私の相棒の直感くんは、エリート中のエリートですから。




だけど、睡眠薬を飲ませるターゲットが凛だったのは初耳だ。



1年前から睡眠薬を摂取していたなら、多少なりとも影響が出る。現に、睡眠薬がなくても、凛は常時睡眠するようになった。


それらを踏まえると、真修が神雷に入った時期と凛がよく眠るようになった時期がちょうど重なって、辻褄が合う。