私を遠ざけていたのに、探してくれてたの?
……そこが、真修のいいところだよね。
避けてる人をすぐに探しに行けるなんて、本当に優しいなぁ。
「いくら探しても見つからなくて、家の近くをもう一度探してみようと道を引き戻そうとした時、幸珀を見つけたんだ」
私を見つけた?
でも、あの事件があった日、私は真修の姿は見ていない。
小さな矛盾が、不安を過らせた。
「幸珀は、朔に泣きついていた」
え?
あの時、あの場所に、真修もいたの?
「俺はその光景を、遠くから眺めてたんだ。気づかなかったでしょ?」
「う、うん」
たどたどしく頷くと、真修は自分自身を嘲笑うように目尻を細めた。
「どうして、声をかけてくれなかったの?」
「……しようとしたけど、できなかった」



