“あの日”を堺に、幼なじみ同士で遊ぶ機会は減っていったけれど、ちゃんとした理由はなかった。
幼いながらに在った限界のせいで、自然に連絡を取らなくなっていた。
……そう、思い込んでいたのは、私だけだったらしい。
本当は、真修が故意的に、すれ違いを起こしていたの?
幼なじみの関係にできた溝は、真修が私を避けていたから生じてしまったの?
無性に、胸が痛くなった。
「それでも後ろめたさは消えてはくれなくて、その度にまた後悔して」
「うん」
「中学生になっても、ずっと、避け続けてた」
「うん」
辛さを紛らわすように、相槌を打った。
すれ違いは終わって、今は毎日仲良く遊べてる。
私はね、過去を気にしない、寛大な女なの。
「そんなある日の放課後、幸珀がいつまで経っても家に帰ってこないって、円堂家から連絡が来たんだ」
3年前、初めて善兄に監禁された時のことだと、すぐにわかった。
朔のところだけじゃなく、真修のところにも連絡してたんだ。
「それですぐに、俺と朔は手分けして、幸珀を探し始めた」



