BAD & BAD【Ⅱ】






「逃げた後で、ものすごく後悔した。でも、引き返そうとはしなかった。自分を1番に考えちゃったんだ」



誰だって、敵を作りたくはない。


自分を可愛がって、嫌われないように取り繕って、周りと同調してる。



それが苛立たしくも当たり前になっていて、否定してもそれじゃダメだと訴えても、結局意識は払拭できずに根付いてしまっているのが現実。



所詮、人間の集団心理なんて、クズの塊だ。




「最低でしょ?」



やめてよ、真修。

それ以上、自分を自分で傷つけないで。



真修の心は、確かに泣いていた。




「それから、裏切ったようでなんだか後ろめたくなって、幸珀に会いづらくなった」


「え?」


「無意識のうちに、幸珀を避けてたんだ」



味方になってくれなかったことよりも、会いづらいと思われてたり避けられてたりしてたことの方が、よっぽどショックだった。