BAD & BAD【Ⅱ】





善兄に、逆らう?


うっすらと、真修と善兄の関係を垣間見えた。




「ごめん」


固く目を瞑って、また謝った。



なんでそこまで謝るの?


私の監禁に手を貸したから。それとは他に、悔いてる事情があるの?



異様に、心臓が鈍く軋んだ。



「幸珀、ごめんね」


「真修……?」


「小学生の時……幸珀が悪者になった“あの日”に、幸珀を助けられなくてごめんね」



ヒュッ、と息を呑む。



真修も凛と同じように、“あの日”に呪縛され続けていたの?


“あの日”がどれだけの人の枷になっていたんだろう。




「どういう、ことなの?」