善兄に、逆らう?
うっすらと、真修と善兄の関係を垣間見えた。
「ごめん」
固く目を瞑って、また謝った。
なんでそこまで謝るの?
私の監禁に手を貸したから。それとは他に、悔いてる事情があるの?
異様に、心臓が鈍く軋んだ。
「幸珀、ごめんね」
「真修……?」
「小学生の時……幸珀が悪者になった“あの日”に、幸珀を助けられなくてごめんね」
ヒュッ、と息を呑む。
真修も凛と同じように、“あの日”に呪縛され続けていたの?
“あの日”がどれだけの人の枷になっていたんだろう。
「どういう、ことなの?」
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