これは、本物の、裏切り。
そう、なっちゃうのかな。
「ごめん」
「ごめんじゃないよ!」
また足元に落とされた3文字を、跳ね返す。
「謝るくらいなら、最初からこんなことしないでよ!」
ごめんって何?
何に謝ってんの?
なんで、謝るの?
「……ごめん」
真修が、キュッと唇を噛み締めた。
さっきから、謝ってばっか。それしか言えないの?
知らない部分を、新たに埋めていきたい。
だから、教えてよ。
真修の想いを、ちょっとずつでいいから。
「どうして、善兄を手伝うような真似してるの?」
こんなことを、なんとなくでやるような奴じゃない。
何か、理由があるはずだ。



