BAD & BAD【Ⅱ】





これは、本物の、裏切り。


そう、なっちゃうのかな。




「ごめん」


「ごめんじゃないよ!」



また足元に落とされた3文字を、跳ね返す。



「謝るくらいなら、最初からこんなことしないでよ!」



ごめんって何?

何に謝ってんの?

なんで、謝るの?




「……ごめん」



真修が、キュッと唇を噛み締めた。


さっきから、謝ってばっか。それしか言えないの?




知らない部分を、新たに埋めていきたい。



だから、教えてよ。


真修の想いを、ちょっとずつでいいから。




「どうして、善兄を手伝うような真似してるの?」



こんなことを、なんとなくでやるような奴じゃない。


何か、理由があるはずだ。