BAD & BAD【Ⅱ】





安心して、視界が涙で霞んでいく。


私はがたついた足で地を蹴って、見知った姿に手を伸ばした。




『っ、朔……!』


『……こ、はく?』




朔にしがみついてわんわん泣き出した私に、朔は『え?え!?』と驚きを隠せずに困惑していた。



とても、みっともなかったと思う。


でも、嬉しくて、嬉しくて。


心細さが一気に失くなって、泣かずにはいられなかった。




『幸珀、どうしたんだ!?』


『うぅ……』


『こ、幸珀?』



こんな脆く情けない私を初めて見た朔は、どう接したらいいのか迷い、慌てふためていた。



探してくれてありがとう。

見つけてくれてありがとう。


朔に会えて、よかった。