BAD & BAD【Ⅱ】





あきらめないよ。

後悔したくないから。



『私、自分で思ってた以上にバカだったみたい』


『え?』


『じゃあね、善兄』



振り返り、駆け出す。



私はやっぱり、悶々と考えているより、全力でぶち当たりたいんだ。


答えを見つけちゃったら、行動しなくちゃもったいない。



『ま、まさか……!』



私がこれから何をするのかわかり、目を見開く。


今更気付いたところで、もう遅いよ。



窓枠に足をかけ、両腕を交差して頭を守るように体を丸める。


そのまま流れに乗って、勢いをつけて窓にダイブした。




『幸珀!』




――パリンッ……!



善兄の声に数拍遅れて、窓が割れる音が響いた。



ここが何階であろうと、軽やかに着地してみせる。万が一失敗しちゃったら、片方の腕や足を犠牲にしてでも、逃げ切ってみせる。


それくらいの覚悟はあるんだ!