BAD & BAD【Ⅱ】





観念して、真面目にパトロールするか。



帰ってきた時に凛がまだ寝てたら、顔に落書きしてやろう。油性のペンで。ニッヒッヒ。


イタズラ心を駆り立てている私の横で、真修が取っ手をガチャガチャ動かしていた。




「……真修、早く扉開けてよ」


「なぜか開かないんだよ」


「そりゃ引いてたら開かないでしょうよ」


「へ?」




私が真修の代わりに、扉を押した。


開いた扉に、真修がぱちくりと瞬きする。


何回ここに来てるのさ。扉の開け方くらいドジらないでよね。



「あは、間違えちゃった」

「まったくもう」


前言撤回。真修は大人なんじゃなくて、ただ頑固で間抜けなだけだ。




私は呆れながら、真修と共に洋館をあとにした。



「今日は繁華街じゃなくて、こっちを見回ろう」


「りょーかい」



真修の提案に快く賛成し、繁華街のある方面ではなく、退廃した南の方角を中心に巡回することになった。