BAD & BAD【Ⅱ】





桃太郎を手早くどかして、凛を起こそうといろんな方法を試してみた。


だけど、さっきより大きな声で叫んでも、往復ビンタしても、アイスで目覚めさせようとしても、なかなか起きなかった。



今日の眠りは普段以上に深いな。



「凛、起きやがれー!!」


「そこらへんにしとけ」



八つ当たりを込めて、凛の胸ぐらを掴んで前後にグラグラさせても起きず、とうとうたかやんにストップをかけられた。


ここまでしても起きないの?

凛を眠らせてる睡魔、強すぎ。




「今日は俺と幸珀の2人でパトロールしよ?」


「凛は免除?ずるい!だったら私も……」


「それはダメ。幸珀はいつもサボってるだろ?」


「真修のバカ、アホ、ケチ」


「ほら行くよー」




真修は私の悪口を華麗にかわして、私の腕を引っ張って洋館を出ようと、扉の取っ手を掴んだ。


もしかしたら、真修が幼なじみの中で1番大人なのかもしれない。