昨日は、お母さんが約束を守って、家族3人で回らないお寿司に行っていて、ここに来なかったから知らなかった。
高級料亭に、また行きたいなぁ。
「……で、ずっと気になってたんだけどさ」
昨日食べた大トロとうにの味を反すうさせながら、剛に視線を移した。
あえて今まで触れてこなかった、剛の手にある物。
「それ、何」
「ハサミ」
いや、それはわかるよ?どこからどう見てもハサミだよね。それが実はキーホルダーとかだったら驚くよ。
私が聞きたいのはそういうことじゃなくて。
「なんでそれを持ってんの?」
「僕がこれから使うから用意してくれたんだよ~」
会話に入ってきた弘也に、剛がハサミを渡した。
弘也が用意させたの?何のために?



