BAD & BAD【Ⅱ】





昨日は、お母さんが約束を守って、家族3人で回らないお寿司に行っていて、ここに来なかったから知らなかった。


高級料亭に、また行きたいなぁ。




「……で、ずっと気になってたんだけどさ」



昨日食べた大トロとうにの味を反すうさせながら、剛に視線を移した。


あえて今まで触れてこなかった、剛の手にある物。



「それ、何」

「ハサミ」



いや、それはわかるよ?どこからどう見てもハサミだよね。それが実はキーホルダーとかだったら驚くよ。


私が聞きたいのはそういうことじゃなくて。



「なんでそれを持ってんの?」


「僕がこれから使うから用意してくれたんだよ~」



会話に入ってきた弘也に、剛がハサミを渡した。


弘也が用意させたの?何のために?