失敗は成功の元。
失敗しながら、傷つける方法も他人を思いやる方法も優しくなる方法も、わからないことを学んでいけばいい。
ゲームのようにリセットして、もう一度最初から戻るのは無理だけど、間違いに気づけた今この瞬間から新たに始めることはできる。
涙で濡れた唄子ちゃんの両頬を、むにゅっと両手で軽く押す。
突然のことにキョトンとされて、私は口元をほころばせた。
「可愛い可愛い唄子姫が、幸せになれますように」
頑張れ、唄子ちゃん。
可愛さを最大の武器にして、本物の愛を捕まえてね。
可愛いは、正義だよ。
エールを送ったら、唄子ちゃんの瞳が再び潤み出した。
涙腺大丈夫?ゆるんゆるんになってるんじゃないの?
「幸珀先輩が、初めてでした」
「え?」
「ひどいことをしたあたしに笑顔を向けてくれて、あたしの悪い部分を知っていてなお、嫌いにならないでいてくれた人は」
唄子ちゃんは肩を震わせながら、泣きじゃくる。
涙を拭ってあげようとした右手を、唄子ちゃんの両手がたどたどしく包み込む。



