きっと唄子ちゃんには、憧れる気持ちが眩しすぎたんだ。
目を逸らしただけでは眩しさを防ぎきれなくて、ぐるんと背けてしまった。
そのせいで、何もかもが視界から外れて、遠ざかっていって。
前に向き直した時には既に、憧れしか残っていなかった。
でも、ねぇ、よく見て?
初恋が全てじゃない。失恋が終わりとは限らない。
唄子ちゃん流に言うと、「運命はこれから先も紡がれる」。
「私はさ、唄子ちゃんはこれからも、自分をお姫様だと思い込んでてもいいと思うよ」
「え?」
弘也とたかやんが、思いっきり頭を横にぶんぶん振ってるけど……よし、無視しよう。
唄子ちゃんに、にっこり笑顔を向ける。
「お姫様だって人間だもん。失敗くらいする」
物語の裏側では、お姫様も汗水垂らして、努力しているんじゃないのかな。
努力が空回りしちゃったり、同じ失敗を繰り返しちゃったりすることだってある。
「失敗したら、その度に立ち上がってやり直せばいいんだよ」
なんとかなるかもしれないし、なんとかならないかもしれない。
それでも皆、貪欲にあきらめずに、成功を掴むために頑張って生きてるんだよ。



