「知り合いだったのか?」
「うん、夏休みに、唄子ちゃんを手伝ってあげたんだ」
「手伝う?」
「弘也探しをちょっと、ね」
「あの時はありがとうございました」
「いえいえ、どういたしまして」
ふーん、と相槌を打つ剛のそばで、たかやんと弘也は陰りを帯びていた。
「あの……」
「ん?」
「幸珀先輩は、ひろちゃんかたかちゃんの彼女さん、だったりしますか?」
チラチラと窺いながら尋ねた唄子ちゃんの声音が、急に刺々しくなった気がしたけど。
私の勘違い、かな。
ていうか、え?彼女?
弘也か、たかやんの?
夏休みにちゃんと『ど、同級生、みたいな?』って答えたのに、唄子ちゃんに大宮ツインズのどちらかの彼女だと思われたの?またしてもショーック!
「弘也かたかやんの彼女……うっわ、それ最悪」
「声に出てんぞ」
「あっ、しまった。でも、朔もそう思うでしょ?」
「まあ、普通に考えて……ねぇよな」
「俺達も同感。お前が彼女とか、ははっ、ありえねぇ」
「だよね~!幸珀を彼女にするくらいなら、剛と付き合った方がまだマシだよ」
「えっ。俺は弘也と付き合うの嫌だけど」
「ガチで引かないでよ、剛。例えだってば~」



