BAD & BAD【Ⅱ】





靴を脱いで移動したリビングでは、いちごさんがソファーに座って紅茶を飲んでいた。



「久し振り、いちごさん」


「おかえりなさい、幸珀ちゃん。久し振りに会えて嬉しいわ」




艶やかなブロンドの髪、つぶらな瞳、長い手足、整った顔。



テレビではよく見かけてたけど、実際に会うと迫力がすごい。芸能人オーラがドバドバ出てる。


親子揃って美形だなぁ。遺伝子かな。




「今度ハリウッド映画に出るんだって?すごいね」


「知っていてくれたの?ありがとう。幸珀ちゃんは最近どう?」


「毎日楽しいよ」



いくつか障害があったりするけども。


下手くそな愛想笑いをする私の横で、朔が息を吐いた。



「あ、朔もいたのね。遊びに来たの?」


「母さんこそ、何やってんだよ」


「お墓参りに行ってきた帰りに、ここで2人でまったりお喋りしてたのよ」



いちごさんはお母さんと顔を見合わせて微笑んだ。


そういえば、お母さんもいちごさんも、黒で統一した正装を纏ってる。