靴を脱いで移動したリビングでは、いちごさんがソファーに座って紅茶を飲んでいた。
「久し振り、いちごさん」
「おかえりなさい、幸珀ちゃん。久し振りに会えて嬉しいわ」
艶やかなブロンドの髪、つぶらな瞳、長い手足、整った顔。
テレビではよく見かけてたけど、実際に会うと迫力がすごい。芸能人オーラがドバドバ出てる。
親子揃って美形だなぁ。遺伝子かな。
「今度ハリウッド映画に出るんだって?すごいね」
「知っていてくれたの?ありがとう。幸珀ちゃんは最近どう?」
「毎日楽しいよ」
いくつか障害があったりするけども。
下手くそな愛想笑いをする私の横で、朔が息を吐いた。
「あ、朔もいたのね。遊びに来たの?」
「母さんこそ、何やってんだよ」
「お墓参りに行ってきた帰りに、ここで2人でまったりお喋りしてたのよ」
いちごさんはお母さんと顔を見合わせて微笑んだ。
そういえば、お母さんもいちごさんも、黒で統一した正装を纏ってる。



