BAD & BAD【Ⅱ】





不意に、美少女と朔の目が合った。



「もしかして、渡部朔先輩ですか?」


「えっ、あ、そ、そうだけど」


「わあ、噂で聞いていた通り、すごくかっこいいですね」



美少女に褒められた朔は、なぜか私にドヤ顔してきた。


自慢げにするのやめろ。ウザい。




「外見だけはかっこいいよね、わかる」


「だけはってなんだよ、だけはって!俺は全てにおいて完璧だろ?」


「え?あんたのどこが完璧なの?頭大丈夫?」


「くっそムカつく!!」




沸点が低いんだよ。

いつまで経っても、ガキのままだねぇ。


秀才なら秀才らしく、大人っぽさを磨きなさい。




「え」


口論の途中で、唄子ちゃんの吃驚が投下された。



「どうしたの?」


「幸珀……先輩……?」


「うん。久し振り、唄子ちゃん」



どうやら唄子ちゃんは、私の存在に気づいていなかったらしい。


普通にショックです。