不意に、美少女と朔の目が合った。
「もしかして、渡部朔先輩ですか?」
「えっ、あ、そ、そうだけど」
「わあ、噂で聞いていた通り、すごくかっこいいですね」
美少女に褒められた朔は、なぜか私にドヤ顔してきた。
自慢げにするのやめろ。ウザい。
「外見だけはかっこいいよね、わかる」
「だけはってなんだよ、だけはって!俺は全てにおいて完璧だろ?」
「え?あんたのどこが完璧なの?頭大丈夫?」
「くっそムカつく!!」
沸点が低いんだよ。
いつまで経っても、ガキのままだねぇ。
秀才なら秀才らしく、大人っぽさを磨きなさい。
「え」
口論の途中で、唄子ちゃんの吃驚が投下された。
「どうしたの?」
「幸珀……先輩……?」
「うん。久し振り、唄子ちゃん」
どうやら唄子ちゃんは、私の存在に気づいていなかったらしい。
普通にショックです。



