イタズラ心が疼く。
ストレス発散にはちょうどいい。
「あ、あのっ」
桃太郎をどうからかってやろうか考えていたら、背後から高めの声を投げかけられた。
あれ?
私、透明感溢れるこの声、知ってる。
私達は、ゆっくりと振り返った。
「あっ、やっぱり!ひろちゃんとたかちゃんだ!」
後ろにいたのは、青い瞳が白い肌をより一層際立たせている、ふわふわな金糸のような金髪の、絶世の美少女。
て、天使……じゃなくて、唄子【ウタコ】ちゃん!?
なんで、夏休みに弘也探しを手伝った唄子ちゃんが、ここにいるの!?
「……な、んで」
同じことを思っていた私の聴覚が、弘也のか細い声を拾いとった。
弘也、どうしたの?
ううん、弘也だけじゃない。
たかやんも、どこか様子が変だ。



