空気を入れ替えるために開けられた、外に繋がる体育館の扉。


そこから、上履きのまま体育館を出た。



薄く彩られた水色の空が、頭上に広がっている。




「ところで、」

「でも、やっぱり」



どこに向かってるの?、と尋ねようとしたら、唄子ちゃんにタイミング良くかぶせられた。


唄子ちゃんには私の言葉が届かなかったのか、唄子ちゃんは平然と話を続ける。



本当に話聞かない組なんだね。

些細な質問だったから、別にいいよ。譲ってあげる。私、先輩だし。さあ、気にしないで続けて、どうぞどうぞ。



「今だけだとしても、あたしより幸珀先輩の方が、ひろちゃんやたかちゃんと距離が近いのは、納得いきません」


「へ?」



ヤキモチ宣言!?

唐突だな、おい。



……いや、そうでもない、か。