BAD & BAD【Ⅱ】






「でも、一向に呼び出しされないんだよね」



一度はリンチされてみたいなぁ。不良どもにじゃなくて、少女漫画的な恋愛絡みの。


いつでもかかってこいやって、気持ちだけは準備万全にしてるんだけど。




「それって、ただ単に、周りがお前を女と認識してねぇんじゃねぇの?」


「あー、それはあるな。ライバル視するまでもねぇとか、お前とじゃ絶対恋愛に発展しねぇから安心とか思ってるのかもな」


「まあ、確かにお前は生物学上は女だけど、中身は漢だもんな」




剛の意見に賛同したたかやんが、陽気に笑う。


は?

のんきに笑ってんじゃねぇよ。



「んなわけあるか。周りは私が高嶺の花だからリンチしにくいだけなんだよ!」



おそらく!きっと!そうだと思いたい!


私の美しさに恐縮して、周りが近づけないんだ!!




「高嶺の花?誰が?」


「私が、つってんだろうが」


「冗談きついわ。高嶺の花というより、そのへんの雑草だろ」


「雑草なのはお前だ。髪色とか目の色的にも、ほら、まさに雑草じゃん」


「髪色も目の色も関係ねぇだろ!?しかも髪色はそこまで緑じゃねぇし!」