いつまで、その百合ネタ引っ張る気だよ。
そろそろ察してくれよ。
「自称モテ男の2人とよく一緒にいるのに、女の子に脅されたことがないって言ってんの」
朔と弘也が声を揃えて「自称言うな」とツッコミを入れた。相性抜群だね。
「は?脅されてぇの?ドMかよ」
「Mじゃない」
お弁当のおかずの中から唐揚げを取ってもぐもぐ頬張りながら、たかやんに即反論した。
桃太郎と一緒にすんな。
私は生粋のSだ。
「漫画でよくあるじゃん。イケメンと親しげに接してる女の子を、イケメンに惚れてる子達が校舎裏とかに呼び出してリンチするやつ」
「よくあんの?」
「あるあるだよ!」
「女って怖ぇな」
少女漫画を読まないたかやんは、女社会の恐ろしさにドン引きしている。
そうなんだよ。女は怖いんだよ。嫉妬深い生き物なんだよ。
「いつかリンチされるかなぁって、心内でわくわくしてたんだけど」
「わくわくしてたのか!?」
「少女漫画の定番を、リアルで体験できるんだよ?わくわくするに決まってるじゃん!」
「……お前って、とことん感覚狂ってるよな」
朔、何言ってるの?意味わかんない。
私の感覚のどこが狂ってるの?私は至って正常なのに。



