BAD & BAD【Ⅱ】





私を妬んだって、意味ないのに。


私は仲間であって、恋愛関係じゃない。むしろ、頼まれても彼氏にしたくない。私にはれっきとした、相思相愛のイケメンな彼氏がいるんだから。



「唄子ちゃんとも、もっと仲良くなりたいな」


「嬉しいです。あたしも幸珀先輩と仲良くなりたいと思ってたんです」



まだ、淀みは蠢いている。

油断してはいけない。




「物好きだな。こんな奴と仲良くなりてぇなんてさ」


「私、後輩に敬われたいんだよね」


「それが狙い!?」



たかやんは、後輩の良さをわかってない。


後輩に「先輩」って呼ばれたり、憧れられたり、べったり懐かれたりしたら、誰だって嬉しいでしょ?


あ、もちろん、敬われたいってだけじゃないよ?




「純粋に仲良くなりたいって気持ちもあるよ!」


「……どうせ、敬われたい気持ちの方が大きいんだろ?」


「なぜバレた!?」


「やっぱりか」




たかやんが呆れ顔でため息をつく。



私の気持ちの大きさを当てるとは……。

常々、貴様はエスパーかと疑ってたんだ。