「朝から皆で登校なんて、仲がいいんですね」
「いや、」
「あたしもひろちゃんと一緒に登校したいな」
否定する間もなく、弘也に直球でアピールしてくる。
最後まで話を聞いてくれるかな?唄子ちゃんも話聞かない組なの?
さっき下駄箱でたまたま会っただけだよ。一緒に登校してないよ。ねぇ、ちゃんと聞いてよ唄子ちゃん。私の話に関心ある?
「朝からお前の顔なんか見たくない」
「じゃあ、一緒に帰ろうよ。早速今日から。ダメ?」
おおっと、唄子ちゃんが上目遣い+あひる口で攻めてきたー!
そこらへんの平凡な男子はこれで落ちること間違いなしの、胸キュン攻撃。
さすがに女の子大好きな弘也も屈するか!?
「お前と同じ学校ってだけでも嫌なのに、なんでわざわざ一緒に行動しなくちゃいけないわけ~?まじで吐き気するからさー、やめてくんない?」
まさかの反撃だー!!
しかし、唄子ちゃんの表情は一切崩れてない。唄子ちゃんには効かなかったようだ!
……心の中でハイテンションに実況してみたけど、すごい闘いだな。両者一歩も譲ってない。



